ヴェルニの闘病日記 〜・はじめてだらけの入院生活・〜

  

ヴェルニが入院した病院の受付嬢すみれちゃん



はじめに  〜ヴェルニと病院〜
我が家に来てからヴェルニは病気という病気はしたことがなかった。いつも元気いっぱいで、病院にお世話になるのはケガをした時とフィラリアのお薬をもらう時くらい。そんなヴェルニが突然入院することになってしまったのである。
元気だけ?がとりえだったヴェルニ、私達も入院するまでは、「まさか、ウチのヴェルニに限って・・・」と思っていた。ヴェルニが入院に至ってしまったことで、私達もいろんなことを考えさせられた。

この闘病日記は、こんなケースもあるということがわかっていただけたら・・・という気持ちで綴ったものである。
そして、こんなにヴェルニはがんばってくれたという親ばかな想いが込められている。




3月31日(金)   〜胃腸炎?〜
アジアインター後、ヴェルニはごはんに対していつもの気まぐれが出ていた。ひどい時は一日一食、今までのように、時期がくればちゃんと食べてくれるはずと思っていたのだが・・・。

今朝、ヴェルニの嘔吐をする苦しそうな声で目が覚めた。ヴェルニはたまに胃液を吐くことはあったのだが、フードを吐いたのは初めてだった。もちろん朝ごはんも食べず、様子をみて場合によっては病院へ連れて行こうとヴェルパパと話していた。いつものヴェルニに比べると、やはり元気もない。どうしたのかなぁ?ごはんは食べなくても、お水は飲んでいた。しかし、その飲んだお水も吐いてしまったのである。やはりこれはおかしい。すぐに病院に電話をして午後の診察を予約した。先生に診てもらった結果、胃腸炎ということだった。微熱もあり、今日は絶食させるようにと指示が出た。その代わり、点滴をして水分と栄養分は補給すると説明もあった。(詳しくはヴェルニ新聞にて)お腹がギュルギュルいってるので、もしかしたら下痢をするかもしれないとのこと。先生からは「明日ごはんを食べなかったり、食べても嘔吐した場合はもう一度連れて来てください」と言われ、消化のよいフード(缶詰)とお薬をいただいて、病院を後にした。



4月1日 (土)〜回復傾向か?〜
昨日の点滴が効いたのか、お薬入り朝ごはんはすぐに食べてくれた。元気も出てきてお散歩での様子も普段とまったく変わらない。心配していたウンチも大丈夫だった。夕ごはんもしっかり食べたので「よかった、これくらいで済んで」私達も一安心。この時は回復傾向にあるとばかり思っていたのである。

 

4月2日 (日)〜肝機能障害?〜
昨日のヴェルニがウソのように、朝からまったくごはんを食べようとしない。ただ、元気はある。泊まりにきたエルモちゃんに向って「ここはボクのおうち」とばかりにワンワン吠えまくっていた。(詳しくはボヤッキーヴェルニにて)ヴェルニのことを考えて、エルモちゃんには申し訳ないが実家に泊まってもらうことにしたのである。

午後になり、お散歩から帰ったとたん再び嘔吐が始まった。ごはんも食べないし、嘔吐もしている。やはりもう一度先生に診てもらった方が良いと判断して、指定された時間に病院へ行った。先生は念のため血液検査をした。結果は肝機能の数値が高いということだった。でも、入院するほどの数値ではないので、点滴と肝機能を良くするお薬で様子を見る。そして、数値が落ち着くまでは通院することになった。原因としては、疲労やストレスなどが考えられるらしい。私達は先週までのハードスケジュールを思い出し、ヴェルニに負担をかけていたことを反省した。今日も点滴をしたので、ヴェルニは絶食。ところが、午後8時頃のウンチは下痢気味で多少血が混ざっているようだった。嘔吐は止まっている。しかし心配なので早めに休ませ、明日朝一で病院に行こうと思った。

その後、私達が予期しなかった展開へ。。。。。。。

今日の血液検査の結果で異常が見られたところは、GOT=88U/L(正常値9〜69)、GPT=176U/L(正常値13〜53)と肝機能が良くない。腎臓の機能は正常値であった。

 

4月3日 (月)〜急変、そして緊急入院〜
ヴェルニを寝かせてまもなく、また嘔吐が始まった。何も食べていないので胃液(黄色)を苦しそうに出している。ヴェルパパがお水をあげたが、飲んですぐに吐いてしまった。その後、驚くことが・・・。ヴェルニが血便というか下血というか、かなりの液体(赤みがかったチョコレート色)を出したのである。私は一瞬何が起きたのか理解できず、ただかたまってしまった。どうしたら良いのかわからず、ヴェルニの出した液体を見て「ヴェルニが死んじゃう」と泣きながら叫んでいた。ヴェルパパから「何言ってるの!しっかりして!!早くヴェルニのお尻を拭いて!」と叱られてしまったほどだ。ふっと我に返り、お尻拭きでヴェルニのお尻を拭き続けた。拭いても拭いても落ちない。情けない話だが、その間も涙が止まらなかった。私の前には辛そうにしているヴェルニがいる。どこが痛いのか?苦しいのか?私には悔しいけどわかってあげられない。ひたすら、お尻拭きを動かすしかない自分がもどかしかった。その後もヴェルニは明け方まで嘔吐と血便を繰り返し、ぐったりと横になっていた。早く朝になって!それまでヴェルニ、がんばって!!そう願うしかなかったのである。

朝7時、私達はヴェルニを連れて病院へ向った。診察は9時からなのだが、一刻も早くヴェルニを診てもらいたい一心だった。私に抱っこされたヴェルニはかなりぐったりしている。もうすぐ病院だからがんばって!とヴェルニに声をかけ、体をさすってあげた。病院に着き、すぐに診察室へ。先生にはヴェルニの血便の画像(ヴェルパパが先生に見せるためデジカメで撮っていた)を見ていただき、状況を説明した。先生は「調べてみないと何とも言えませんが、とりあえずお預かりします。夕方またいらしてください。」とおっしゃった。そして、「何かの時にはすぐに連絡します。」と付け加えた。私達は先生にお願いして、不安そうなヴェルニを残して病院を後にした。

夕方6時、私達は再び病院を訪れた。ヴェルニは・・・というと、ICUと書かれたガラス張りの部屋のケージに入っていた。ICUは診察室の隣にあり、常に先生や看護婦さんの目の届くところにある。ヴェルニの前足には点滴用の針が刺され、固定のためにテープがぐるぐる巻きになっていた。私達を見てもほとんど反応せず、横になったまま。起き上がったとたん、嘔吐と激しい下痢の血便をしてしまった。大丈夫だろうか・・・、心配でどうにかなりそうだった。しかし、私達には何もできない。辛そうなヴェルニを見て、自分たちの無力さに悲しくなった。

先生からは、嘔吐がひどく下痢と血便も止まっていないため体力低下が激しいこと、点滴で水分・栄養分・お薬を注入することなど、病状についての説明があった。原因についての検査は、ヴェルニの嘔吐が落ち着かないとできないらしい。検査をすることで、さらに体力が落ちてしまうからだった。(この時点で農薬などが原因ではないことは判明)ヴェルニは、もちろん入院である。入院・・・ストレスが溜まるかもしれないが、我が家と病院の距離(急いでも車で30分〜40分)そして万が一(急変)のことを考えると先生に預けるのが一番と納得した。先生の方針で面会は許可されている。私達は「ヴェルニ、きっと元気になるからがんばるんだよ。明日の朝、また来るからね。」と声をかけ、病院を出た。先生の「何かあったら・・・」という言葉が頭の中から離れず、電話が鳴るたびに不安になった。これから数日は、毎日が救命救急センターにいるようだった。

 

4月4日(火) 〜輸血〜
今朝から病院に電話を入れるのが日課になった。午前と午後面会に行くのだが、やはりヴェルニの様態が気になってかけてしまうのである。ヴェルニの様態はかなりひどいらしい。私はすぐに支度をして家を出た。ヴェルニに会うまでは、気が気でない。病院に着いて早速面会をさせてもらった。ヴェルニはケージの奥で、横になったまま動こうとしない。ヴェルニの顔はやつれ、かなり辛そうにしている。先生からはまず「嘔吐と血便が続いていて、体力的にも厳しい状態」と説明を受けた。その原因として、昨日から嘔吐の胃液にも血液が混じり、血便による出血に伴って体内のたんぱく質が一緒に出ていることだった。それには輸血をして、対処するしかないそうだ。ヴェルニの様態は改善されているどころか、悪化しているなんて!私は混乱してしまった。しかし、先生にお任せするしかないのである。輸血によって、ほんの少しでも病状が改善されれば・・・と願うしかなかった。ヴェルニには「夕方また来るね。それまでがんばるんだよ!」と声をかけたが、弱々しく私をちらっと見ただけだった。

夕方、再び面会に行った。電話がなかったということは、ヴェルニの様態も少しは落ち着いているのだろうか。それとも・・・。ICUの中のヴェルニは輸血の効果なのか、朝に比べて表情が良くなっていた。先生からは嘔吐と下痢は続いているものの、今のところ出血は止まっているとのことだった。嘔吐でも下痢でも出血でも、どれか一つでも止まって欲しいと思っていた。出血が止まったことは、少しだけ私をほっとさせてくれたのである。ヴェルニもひとりで必死に戦っている。このままきっと回復に向うに違いない。ヴェルニの生命力と先生の「やれるだけのことはやっています。」という言葉を信じるしかなかった。

 

4月5日 (水)〜嘔吐止めの座薬〜
輸血の効果がでたのか、今日のヴェルニは昨日よりもずっと穏やかな顔をしていた。私を見て反応をするようになってきた。出血も止まっているそうで、嘔吐の回数も減り落ち着いてきたという。夕方のヴェルニはICUから診察室に出してもらうとヴェルパパの顔をペロペロ。動きは鈍いものの、ヴェルニはケージの外にでられたことがうれしそうだった。「嘔吐も落ち着いてきたし、激しい下痢も収まってきている。これでやっと嘔吐止めの座薬を入れられる」と先生がおっしゃった。早速、ヴェルパパ立会いのもと座薬を挿入。座薬が効けば、嘔吐は止まるらしい。明日まで何もなかったら、嘔吐と下痢が止まったと判断しても良いとのこと。そうなればずっと治療もしやすくなるそうだ。私達は座薬の効果に期待するしかない。なんとかこのまま嘔吐と下痢が止まって!と願っていた。

この日は、2回目血液検査の詳細の結果が出た。それによって原因も判明しつつあった。血液検査では特別悪いところはなく、数値的にもほとんど問題がないらしい。 その後の先生の言葉にショック!!ヴェルニの原因・・・もしかしてストレスでは?というのである。それに疲労が加わって胃腸がやられた、と。ストレス&疲労・・・考えてもみなかった。ヴェルニに限ってまさか!信じられなかった。確かに、ドッグショーに行ったり実家に泊まりに行ったり、ヴェルニにはかなりの負担だったかもしれない。私達でさえも疲れたのだから、小さいヴェルニはもっと疲れていたに違いない。自分達のペースにヴェルニを付き合わせてしまったのである。私達がもっとヴェルニのことを考えて行動していたら・・・。きっとこんなことにはならなかっただろうと、とても後悔した。ヴェルニを体力的にも精神的にも追い詰めていたなんて。毎日、一緒にいて何をしていたのだろうか?ヴェルニにはただただ「ごめんね」というしかなかった。

 

4月6日 (木)〜止まって!、嘔吐〜
昨日の座薬の効果があったらしく、嘔吐・下痢は止まっていた。ただ、今の段階では確実に止まったと判断できず、明日の朝まで様子をみなければならないと、先生はおっしゃった。せっかく止まりかけた嘔吐なので、先生もかなり慎重になっている。ヴェルニは嘔吐が止まったことで、体力的にだいぶ落ち着いてきた。
ヴェルニの顔も私達に対する反応も、一番ひどかった時に比べるとずっと良い。あとはこのまま嘔吐が止まって、口から栄養を取れるようになれば・・・。もう一日、ヴェルニにがんばって!


4月7日 (金)〜5日ぶりに食べた!〜
やっと嘔吐が止まった。私達も先生もこの時をどんなに待ち望んでいたことか。ヴェルニもあのつらくて苦しい時期をよく乗り切ってくれたと思う。日曜日以来、一切の食べ物を口にしていなかったヴェルニ。点滴だけで水分と栄養分を補ってきた。5日ぶりに先生から流動食の許可が出たのである。やったぁ!という気持ちでいっぱいだった。しかしいくつか問題が・・・。ひとつはヴェルニが食べてくれるかどうか、もうひとつは食べたものを嘔吐してしまうかもしれないということだ。とりあえず、小さいスプーンにほんの一口、ヴェルニに差し出してみた。ヴェルニは初めて見る流動食を珍しそうに見て、匂いをかいでいる。心配そうな私達をチラッと見て、スプーンをペロン。ヴェルニが流動食を食べてくれた。大げさかもしれないが、涙が出そうなくらいうれしかった。その後のヴェルニは3回ほど流動食を食べ、嘔吐することもなく安定していると看護婦さんから聞かされ、本当にほっとしたのである。ヴェルニは快方にに向かい始めた。


4月8日 (土)〜お散歩〜
私達は久しぶりに笑顔で病院へ向った。明るい表情で面会に行くのは、ヴェルニが緊急入院してから初めてかもしれない。病院に着いて待合室で面会の順番待ちをしていた。診察室のドアが開き、先生と一緒に現れたのはなんとリードを付けたヴェルニだった。私達はびっくり!そして、どうして?そんな私達を見て、先生は「流動食も食べられるようになり、嘔吐も完全に止まったので、気分転換を兼ねて少しだけ外を歩かせてください」とおっしゃった。予想もしなかった先生の言葉に、私達はまたびっくり!お散歩なんてずっと先のことだと思っていたからである。一週間ぶりに外に出たヴェルニは、眩しそうにお日様を浴びていた。もちろん歩き方は弱々しくよろけているが、顔の表情はいきいきとしている。そんなヴェルニを見て、私達はこれでなんとか元気になってくれると確信できた。


4月9日 (日)〜ウンチが出たぁ!〜
今日は病院もお休み。でも、午後4時から5時の間に限って面会が許可されている。私達もその時間に合わせて、ヴェルニに会いに行った。いつもは午前中に一度面会しているので、夕方まで待たされたヴェルニは少し不満顔。興奮気味でお散歩用のリードを付けるのも大変だった。外に出て、ヴェルニは早速オシッコをした。と、ここまでは昨日と何も変わらなかった。しかし、その後変化が・・・。約一週間ぶりにウンチが出たのである。血便でもなく多少ゆるゆるだが、下痢まではいっていない。嘔吐が止まり、流動食を食べ、ウンチもでた。ここまで本当に長かった。ヴェルニもよくがんばったと思う。


4月10日(月)〜順調に回復〜
今日からヴェルニは流動食に加え、胃腸に優しいフードを食べられるようになった。そして、少量ながら、お水も飲めるようになった。点滴に頼っていた頃のヴェルニがウソのように元気になり、お散歩に行く時はリードをかじるし足に飛びつくし挙句の果てによそのワンちゃんに吠えるほど。先生からも「ここまでくれば
大丈夫でしょう」と言っていただけるまでになった。そして、「順調にいけば、週末には退院できるでしょう」と。えっ、退院?思ってもみなかった先生の言葉である。うれしいと感じるよりも、信じられず耳を疑ってしまった。それくらい予期せぬ言葉だった。元気を取り戻しつつあるヴェルニは、ケージの中にいることが不満になってきたらしい。いたずらをしでかさなければ良いのだが・・・。



4月11日(火)〜点滴が取れたぁ!〜
緊急入院してはや9日。ヴェルニの左前足には今も点滴用の針と管を接続するもの(専門用語なので名前がわからない)がテープで固定されている。最初は右前足に固定されていたのだが、何かの拍子に針がずれてしまいもう一方の左前足に針を入れることになったのである。ヴェルニの白いハイソックスは、看護婦さんの手により見事に剃られてしまった。しかも両前足。右前足には針の痕が痛々しい。お散歩に行く時も、ヴェルニは気になって歩きにくそうだ。できることならば、早く取ってあげたい。そんなことを思いながら、面会に行った。そしてヴェルニを見ると、点滴用の針がなかった。先生に尋ねると「食事も順調だし、体力的にも安定してきたので、点滴の必要がなくなったから」という返事だった。ヴェルニも点滴から解放され、うれしそう。見た目には、剃られた両前足に針の痕・・・さらに痛々しくなっている。「さぞかし痛かっただろうし、よく我慢したね」とヴェルニを誉めてあげた。しかし、その後とんでもないことを看護婦さんから聞かされた。いや〜な予感的中!ケージの中で時間を持て余したヴェルニは、足に固定された点滴の管の接続部分をカジカジしてしまったらしい。だから・・・?と心配していると、看護婦さんは「ちょうどはずすところだったから、大丈夫ですよ。」と優しい言葉をかけてくれた。これも元気になった証拠のひとつ?!


4月12日(水)〜体重〜
やっと今日から胃腸の薬を飲み始めた。というか、正確には腸の薬だけになってしまった。何でも、腸の薬は無味無臭なのでヴェルニは食事と一緒に食べてくれたが、胃の薬は少しだけ臭いがあるため、騙せなかったらしい。とりあえず、胃の方はかなり落ち着いたので食事療法で大丈夫とのことで、一安心。腸の薬を飲んでくれなかったら大変だった。私が面会に行った時、ヴェルニの体重を測ってびっくり!驚くことに10.4キロまで落ちていた。約2.5キロも減っている。私達の体重ではほんの少しでもヴェルニの体重の割合からすると、かなり減ってしまったことになる。もちろんヴェルニの体を触ってみると、背中もゴツゴツお腹もゴツゴツ。それでなくても胴長なのに、やせ細ったヴェルニはさらに胴長に見えてしまう。ただ救いなのは、今のヴェルニが食欲旺盛なこと。以前では想像できないくらい食べ物に執着している。退院後もこの調子で食べてくれればいいのだけれど・・・。



4月13日(木)〜ICUから一般病室へ〜
入院してからずっと、ヴェルニはICUに入っていた。常に先生や看護婦さんの目の届くところにいたのである。それくらいひどい状態だったが、様態がすっかり安定したヴェルニは、無事に一般病棟へお引越。点滴調整の機械音が静かに響くICUからやっと解放された。先生から「これだけ元気になれば、大丈夫!あとは退院を待つだけですね」とのお言葉で、退院も現実味を帯びてきた。ヴェルニもさぞかし喜んでいるに違いない。ところが、一般病棟に移ってからのヴェルニはやたらと吠え、不満そうにしているという。元気になったヴェルニの声は病室に響き、他の入院患者さんどころか先生や看護婦さんも困らせている。どうして急に?と不思議だった。しばらくしてその原因が判明した。ICUの時は先生や看護婦さんの出入りが多く、ヴェルニがつまらなそうにしていると必ず「ヴェルちゃ〜ん、どうしたのぉ?」などと声をかけてもらっていた。それが一般病棟では、滅多にかまってもらえなくなったのである。どうやらそれが不満で、ヴェルニは吠えて訴えていた?ということらしい。入院生活を経験したことで、精神的に少しは成長したと喜んでいたのだが、
箱入り息子の甘えん坊は一生このままと、半分諦めた私だった。


4月14日(金)〜退院決定〜
待ちに待ったヴェルニの退院が決定。明日の午前中に病院へ迎えに行くことになった。退院後一週間くらいは食事療法を続け、2〜3日おきに通院すれば良いそうだ。ヴェルニのいない我が家は、シーンと静まり返り灯りが消えたようだった。部屋がとても広く感じられた。居るはずのヴェルニがいない・・・空っぽのケージを見るたびに悲しくなった。いつのまにか、私達にとってヴェルニの存在はとてつもなく大きくなっていたのである。ヴェルニが帰ってくる!どれほどこの日を待ち望んでいたことか!今晩はうれしさのあまり、寝つけないような気がした。早く明日にならないかなぁ!

 


4月15日(土)〜無事、退院〜
やっとこの日を迎えることができた。緊急入院した時を思い出すと、夢のようだ。正直言って、あの時は今日の光景を想像できなかった。絶対大丈夫と思う反面、ぐったりしたヴェルニをみるたびに、もしかしたら・・・と、不安で仕方なかった。ヴェルニも本当にがんばってくれた。だからこそ、こうして元気を取り戻すことができたのである。お世話になった先生や看護婦さんの「良かったね!」という言葉に、胸が熱くなり涙が出そうになってしまった。ヴェルニもまわりの雰囲気で家に帰れるのがわかるのか、うれしそうにしていた。

 


おわりに 〜この場を借りて〜
ヴェルニが入院し一時はどうなることかと思ったが、何とか回復しすっかりもとの元気なヴェルニに戻りつつある。辛く苦しい治療に耐えたヴェルニのがんばりも大きいが、ヴェルニを心配し励ましてくれた皆さんの想いがヴェルニの生命力につながったような気がする。入院中、ヴェルニと私達を励まし勇気付けてくれた
キャリパパさん&キャリママさん、ヴェルニの治療に全力を尽くしてくれた先生と手厚い看護をしてくれた看護婦さん、本当にありがとう!たくさんの人の力で、ヴェルニは復活した。


おまけ 〜ヴェルニ入院の教訓〜

1.信頼できる獣医さん選び
(1)診察や治療において、詳しく納得できる説明があるか?
病気やケガの内容はもちろん、注射や薬、さらにはワクチンやフィラリアなど
すべてについて納得のいくまで詳しい説明がある。それによって私達も安心でき、
先生にお任せすることができるのだと思う。
(2)ワンに対する接し方
診察中の先生の態度でわかるのでは?
ワンに話しかけたり、ナデナデしてして、リラックスさせてくれる
ワンを商品のように扱わない(当たり前のことなのだが・・・) 
(3)必要以上に薬を出したりしない(特に飲み薬)
ワンの状態によって、薬が飲めなかったり変わったりする場合を想定して
薬を出してくれる。薬が変わると以前出された薬が無駄になってしまうため。
儲け主義の獣医さんは平気で一週間分を出したりするらしい。
(4)すべてにおいて良心的な対応
緊急時は時間外でも嫌がらず対応してくれる。(日曜・祝日も)
料金は明瞭会計(人間と違って基準がないので、病院によってまちまち)
(5)評判が良い
自宅から多少離れていても、評判は広まる。まわりでワンを飼っている人に
聞いてみては?
ヴェルニのお世話になった病院は以上すべてがクリアされている。(ちなみに
ヴェルニは今の病院は2件目) 
一つでも疑問に思ったり不安に感じたり不満があったら、迷わず変えた方かよいのでは?
きっと良心的で信頼できる獣医さんにめぐり合えるはず。家族同様、 大事なワンの命に
かかわることなので、獣医さんは慎重に選んでほしい。

2.日常のワンを観察しておく
(1)食事について
量はどれくらい与えているか。
食べ方はどうか。
(2)ウンチとオシッコについて
普段のかたさ(ウンチ)と回数、色を覚えておく
何か混ざっていないか見る
(3)運動について
歩く速度を覚えておく
何か口に入れないように注意する
(4)その他
横になっていることが多いとか、反応が鈍いなど生活の
リズムが乱れていないか?
ヴェルニの場合、食事に関しては非常に気まぐれで、特に朝は出されても
すぐに食べなかったりひどい時は食べずにぬいてしまうこともあった。
それが今回災いして、発見が遅れてしまったのである。「何かヘンだな」
と思ったら、とりあえず獣医さんに相談した方が良いかもしれない。
(そのためにも獣医さんを選ばないと・・・)早く発見できれば、それだけ
ワンの負担も軽くて済むのだから。 


3.ワンの立場になって行動をする(特に子犬)
(1)外出後のケア
家に帰ったらゆっくり休ませる、食事の食べ方やウンチと
オシッコの状態を見る。
(2)ハードスケジュールに注意
余裕をもったスケジュールを組む
ワンのペースに合わせる
入院前、ヴェルニは三週連続で外出していた。その頃はまさかこんな
ことになるなんて、夢にも思わなかった。考えてみると、1歳にもならない
ヴェルニには、かなりの負担になっていたのかもしれない。ヴェルニにとって
外出は楽しみのひとつであり、うれしさのあまりはしゃぎ過ぎることもあった。
その辺を見極めてあげていれば・・・と反省し、後悔した。「後悔先に立たず」
そうならないように、今回の教訓を生かしていきたい。

痩せこけた退院時のヴェルニ 点滴で両脚の毛を剃られた

 

おわり。